米国における創立費・スタートアップコストの税務上の取り扱いについて

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概要

日本の法人税法上、創立費、開業費や開発費などは、任意償却の繰延資産とされていますので、いつでも、任意の金額について償却し損金算入することができます。すなわち、黒字となった任意の年に未償却残高すべてを償却することも可能です。また、償却完了までの期限も特段設けられていません。

一方で米国の法人税においては、同様のコストとして創立費(Organizational Expenditure) やスタートアップコスト(Start-up Expenditure)が存在しますが、その税務上の処理方法については日本とはやや異なる制度となっており、その損金算入額について一定の制限等が存在します。

創立費及びスタートアップコストの内容

米国において創立費とは、法人の設立等に伴い発生した費用をいいます。例えば、法人の設立に際して生じた法律や会計のサービスコスト、国や州への登記及び登録に係る費用がこれに該当します。

一方、スタートアップコストとは、事業活動を開始する前に生じたコストをいいます。例えば、事業活動を開始する前に行った市場調査に係る費用、事業を開始する際の広告宣伝費、事業開始前に研修等を受けた従業員の給与などがこれに該当します。

創立費及びスタートアップコストの損金算入額

創立費およびスタートアップコストは原則として事業を開始した月から 180 カ月(15年)の期間で定額法により償却します。

ただし、選択により、初年度に US5千 ドルまで即時償却し、損金算入することも認められていますが、創立費またはスタートアップコストの各々の合計がそれぞれについて US5 万ドルを超える場合には、当該即時償却の上限の US5千ドルは、その超過分相当について減額されます。

従って、例えば、創立費の合計が US5万5千ドル以上で、創立費の即時償却の上限金額は、0となるため、この場合創立費の即時償却はできないこととなります。

株式の発行費用等

上記と関連する論点ですが、株式の発行や引受けに係る費用に関しては米国の法人税上、創立費等として損金に算入することができません。これらの費用に関しては、対応する資本の減少として処理されます。

なお、会計の論点ですが、例えばIFRSにおいて株式交付費は、資本取引に付随する費用として取り扱われこれらの費用は資本から控除することとなっており米国の税務上の処理と概ね整合しています(日本の会計基準において株式交付費は支出時に費用とするか繰延資産として計上しその後償却を行うかとなっています。)。

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